TR's野球コラム【その2】

 【コーチと息子の関係】

 息子が少年野球を始めて、もれなく私も「コーチ」という肩書きで少年野球に参加し始めました。

 入部に当たって息子と約束したのはただ一つ。
 「グラウンドに出たらオレはお前の『お父さん』ではなく『コーチ』。だからグラウンドでは『○○コーチ』と呼べ」と。

 とは言いながらグラウンドで自分の息子を見てるとどうしても”不甲斐なさ”が目に付きます。
 ついついコーチの立場を越えて声を荒げた「+α」の指導をしがちになります。

 4年生の時のとある大会のこと。
 序盤から得点を重ね、どちらかと言えば楽勝ムードでした。
 しかしじわじわと追い上げられ、監督、コーチ陣、子ども達全員が若干焦りながら迎えた終盤。
 息子の守備位置はファースト。相手チームの攻撃。
 ノーアウトランナー2塁で相手はサード前に送りバント。サードがファーストへ送球する間に2塁ランナーはホームへ突入。
 準備していなかったファーストの息子。送球が遅れて1点献上・・・。
 その後、同じ様な場面が2回あり、これまた同じように送球遅れでそれぞれ1点ずつ献上・・・・。
 同じ失敗を3度繰り返した息子に私のイライラも頂点に達し、思わず「何しとんねんっ!お前のせいで何点取られてるんや!」と怒鳴って・・・・・。
 「しまった!言うてもうた!」と思ったものの時既に遅し。
 息子はファーストの守備位置で意気消沈モード全開・・・・。
 結果は6-8で逆転負け。

 帰りの車中、試合の事を考えつつ息子に声を張り上げた事に猛省。
 息子には「オレはグラウンドではコーチ」と言っておきながら自分は試合中にもかかわらず完全に「父親」の立場で怒鳴ってしまった・・・・。

 コーチをやり始めた頃、会社の先輩から「グラウンドでは絶対に自分の子供に怒鳴ったらアカンで」と言われたのを思い出しました。
 良くも悪くも所詮は小学生。
 これをやってしまうと子供は監督より自分の親を気にしてプレーしてしまいます。

 賛否両論あるかと思いますが私はグラウンドで自分の子供に厳しくするのは賛成出来ません。(他の子供にも同じようにするのなら別ですが・・・)
 何か家庭とグラウンドの区別が出来ていないような気がするからです。
 子供には「自立」を促しながら、親は逆に「子離れ」出来ていないような・・・・。

 「自分の息子やし」とついつい指導もキツくなりがちになりますが「少年野球のコーチ」として関わっている以上、ここはケジメをつけなければならないのかと・・・。

 前述の試合以降、グラウンドでは極力自分の息子には直接指導しなくなりました。
 直接指導をする場合は「コーチ」という立場を徹底しました。
 その代わり他のコーチにはガンガン指導してもらいました。
 当然、他のコーチ陣とはあらゆる場面で意思疎通を図った上でです。

 親子という関係である以上、難しい事だとは思いますが・・・・・・。
 ここは「避けては通れない」問題なのかと思います。  

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